良くない遺言の文例集②

遺言書

自筆の遺言書のなかには、表現が曖昧なものや配慮が足りないように思われるものもあります。
以下の例文は、決してまねして書かないでください。

●悪い文例(6)贈与と解釈される余地
  1. 土地と建物は、全て長男山田一郎に贈与する。
令和5年4月1日

山田太郎 

冒頭に「遺言書」の文字や氏名の頭に「遺言者」という文言がありません。贈与すると書かれているので遺言書とはみなされず、生前贈与とみなされる恐れがあります。そうなると、手続上これを実現する上での問題や税金の問題が発生するので要注意です。

●悪い文例(7)連名の遺言は駄目

遺言書

  1. 私たちの財産は、全て長男山田一郎に相続させる。

令和5年4月1日

遺言者 山田太郎 
遺言者 山田太郎 

遺言を連名ですることはできません。この遺言は無効です。

●悪い文例(8)少々酷な付言

遺言書

  1. 財産は、全て二男の山田二郎に相続させる。

  2. 長男の嫁の愛子さんには、長いこと私の看病をしてくれてありがとう。とても感謝しています。
    私が死んで妻一人きりになったら、妻も病弱でなにかと大変だと思いますから、これからも妻のことをくれぐれもよろしくお願いします。

令和5年4月1日

遺言者 山田太郎 

2の部分は、いわゆる「付言」と言われる文言です。
義父の看病で散々苦労したであろうお嫁さんに、何の見返りも記せずに、更に妻の世話を期待するお願いだけを書き残すのは、お嫁さんに対して精神的に大きな負担を強いることになり少々酷かもしれません。

●悪い文例(9)動物には遺贈できない

遺言書

  1. 現金100万円を愛犬ポチに遺贈する。

令和5年4月1日

遺言者 山田太郎 

動物に遺贈することはできません。
遺贈の目的が愛犬の飼育や世話のためであるなら、面倒をみてくれそうな人に次のような遺言をすれば良いと思います。
「愛犬ポチの飼育をすることを条件として、長男〇〇にポチと現金100万円を遺贈する。」

●悪い文例(10)場所が特定できない

遺言書

  1. 下記の土地のうち、150㎡を長男山田一郎に相続させ、残りの部分は妻山田花子に相続させるる。
    〇〇市〇〇町一丁目10番1
    宅地 350㎡

令和5年4月1日

遺言者 山田太郎 

上記の例文では、広い土地の何処の部分を長男にあげたいのか分かりません。150㎡といっても土地の東側部分なのか、道路側部分なのか、三角の形なのか、場所や形状を特定できず曖昧です。
場合によっては、面積割合による共有にする意味にも取れます。特定の場所を相続させたい場合は、その部分を特定できるように表現するか、図面を添付するなどの配慮が必要です。

参考:【令和新版】誰でも作れる遺言書「レッツ遺言セット」
   神奈川県司法書士協同組合

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