実例(2)多数の愛人へ遺言書を手渡す老人

遺言書

司法書士は、遺言に関して様々な経験をしています。その経験談をご紹介します。

これは知人の司法書士から聞いた話なので、真偽のほどは定かではありません。
あるモテモテの資産家の老人の話です。この老人は、近しくなった女性に対し、もしも自分が死んだら君にマンションをやる、アパートをやると言っては実際に遺言書を作り、女性に手渡すのだそうです。 しかもその遺言書は、りっぱな公正証書。遺言書を受け取った女性は大感激です。そんな女性が、この老人の回りに何人もいたというのです。
知人の司法書士は心配になって、「そんなに沢山の女性に気前よく財産をやってしまって本当に大丈夫ですか、家族に責められませんか? 」と尋ねたら、この老人は平然として、「遺言書はただの紙切れだよ。」と言ったそうです。
なんとこの老人は、同じ内容の遺言書を多数の女性に配ったうえで、内容が矛盾すれば最後の遺言書だけが有効となるということ、つまり以前作った遺言書は全部無効になることを十分に承知の上での行動だったそうです。
「最後は、自分の家族のために遺言書を書いて、それを家族に手渡し、家族から手厚い看護を受けて旅立つんでしょうかね。」と知人はあきれ顔でした。
遊び人の資産家から、死んだら財産をあげると言われても、素直に喜ぶことはできませんね。

参考:【令和新版】誰でも作れる遺言書「レッツ遺言セット」
   神奈川県司法書士協同組合

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