実例（7）約3分の1と書かれた遺言

Aさんから、亡くなった母親の相続登記を依頼されました。
Aさんの母親は、筆で書いた立派な自筆の遺言書を残していました。その遺言書には預貯金と建物は全てAさんに相続させる、土地は約3分の1をAさんに相続させると書かれていました。

問題は、土地は 「約3分の1」をAさんに相続させる、と書かれていた点です。母親は土地の100分の29を持っていたので、約3分の1という意味で書いたのでしょうか。しかし、「約3分の1」というような曖昧で不正確な数字が書かれた遺言書では、登記することができません。
幸いにも今回は、他の相続人の方たちが母親の遺言を尊重し、遺言書の趣旨のとおり遺産分割協議をすることに同意したので、なんとか無事にAさん名義とする登記ができました。
遺言書を書くときは、このような曖昧な表現、不正確な表現は絶対しないようにしましょう。