遺言書文例集①

遺言書

遺言の知識や作リ方のルールが理解できても、いざ自分で書こうとすると、なかなか文章が思い浮かばないものです。ここでは遺言の文例をケースごとにいくつか例示しました。
遺言書は、縦書きでも横書きでもどちらでも構いません。ここでは、都合上横書きにしてあります。

●遺言書作成例(1) 全ての財産を配偶者に相続させたい

子がいないご夫婦の場合は、残った相手方に自分の財産を全て譲りたいと考えることが多いと思います。そのような場合は、次のような遺言を書きましよう。ご夫婦がお互いに遺言書を作って、相手の遺言書を保管し合うのも良いでしょう。

遺言書

  1. 全ての財産は、妻の〇〇△△に相続させる。

以上遺言する。

令和〇〇年〇〇月〇〇日

〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇
遺言者 〇〇〇〇 

※表題が遺言書となっているので、「以上遺言する。」と書かなくても問題ありません。

●遺言書作成例(2)複数の相続人に財産を分けたい

誰に何を相続させるのかを正確かつ具体的に書きましょう。また下記文例中の4のように、具体的に記載できなかった財産についても、誰が相続するかを定めておくと、後日の紛争予防に効果があります。

遺言書

  1. 下記不動産は、長男〇〇△△に相続させる。

    〇〇市〇〇町〇〇番〇の土地
    〇〇市〇〇町〇〇番地〇家 屋番号〇〇番〇の建物

  2. 下記預金は、長女〇〇△△に相続させる。
    〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇
             定期 
  3. 下記株式は、二男〇〇△△に相続させる。
    〇〇株式会社の株式〇〇株(〇〇証券〇〇支店)
    〇〇商事株式会社 
  4. 上記以外の財産は、全て妻〇〇△△に相続させる。

令和〇〇年〇〇月〇〇日

〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇
遺言者 山田太郎 

第6行中2字削除2字加入 山田太郎
第8行中2字加入 山田太郎

※訂正する場合、余白等に訂正場所及び内容を記載して署名、かつ訂正場所に全て同じ押印をしなければなりません。

●遺言書作成例(3)家業を特定の相続人に継がせたい

この文例中の1は家業を長男に継がせたいときの文例です。遺言者が経営する会社の株式や、事業川の不動産、動産、預貯金、債務などを相続させる内容となっています。

遺言書

  1. 家業を継いでもらうため、下記の財産を長男〇〇に相続させる。
    株式会社〇〇〇の株式全て
    〇〇市〇〇町〇〇番〇の土地
    同所同番地〇家 屋番号〇〇番〇の建物(工場)
    〇〇銀行〇〇支店の預金の全て
    〇〇銀行(〇〇支店)の借入債務の全て
  2. 下記財産は、妻△△に相続させる。
    〇〇市〇〇町〇〇番〇の土地
    同所同番地〇家 屋番号〇〇番〇の建物(自宅)
    〇〇銀行〇〇支店の預金の全て
  3. 上記以外の財産は、長女□□と二男××に均等に相続させる。
  4. 家業の継続は私の夢だから、長女と二男はこれを理解して欲しい。
    長男は、長女や二男が経済的に困ったときに助けてあげて下さい。

令和〇〇年〇〇月〇〇日

〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇
遺言者 山田太郎 

※訂正する場合、余白等に訂正場所及び内容を記載して署名、かつ訂正場所に全て同じ押印をしなければなりません。

●遺言書作成例(4)相続人以外に財産を譲りたい

相続人以外の人に財産を譲りたい(遺贈したい)ときは、譲る相手の住所や氏名のほか、生年月日や遺言者との関係などを書いて、譲る相手を確実に特定できるようにしましょう。

遺言書

  1. 下記の者に、下記財産を遺贈する。
    住所:〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇
    氏名:〇〇△△
    遺言者との関係:長男の妻


    財産の表示
    〇〇市〇〇町〇〇番〇の土地
    〇〇市〇〇町〇〇番地〇家 屋番号〇〇番〇の建物
    〇〇会社の株式 〇〇株 (〇〇証券〇〇支店)

  2. 上記以外の財産は、妻〇〇と長男□□に均等に相続させる。
  3. 遺言執行者として下記の者を指定する。
    住所:〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇
    氏名: 〇〇△△
    遺言者との関係又は職業:〇〇〇

令和〇〇年〇〇月〇〇日

〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇
遺言者 山田太郎 

※「遺言者との関係」は、譲る相手を確実に特定するために書いておく方が良いでしょう。
※遺 贈する場合は、遺言執行者を指定しておくのが良いでしょう。
※遺言執行者が親族の場合は続柄、親族以外のときは関係、専門家の場合は職業を書いて特定しておきましょう。

参考:【令和新版】誰でも作れる遺言書「レッツ遺言セット」
   神奈川県司法書士協同組合

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