自筆で遺言を書く時のルール
自筆で遺言を書く時のルールは4つです。
- 本文の内容
- 作成日付
- 作成者氏名
- 作成者の印鑑を自分で押す
ルールはこれだけです。
Wordなどのワープロソフトで作成してはいけません。全て自筆で書いてください。
一番簡単な遺言書の例
遺言書
全ての遺産は、妻山田花子に相続させる。
令和5年7月1日
横浜市保土ケ谷区星川二丁目五番地
山田太郎
「妻」だけでも特定できますが、この例文のように妻の名前も書くのがよいでしょう。
日付は和暦でも西暦でもどちらでも構いません。ただし日にちまで必ず書かなければいけません。
ルールでは住所を書く必要はありませんが、どこの誰が書いたか他の人がわかるように住所も書きましょう。
通称名やペンネームは好ましくありません。戸籍に記載されている名前を正確に書きましょう。
印鑑は認印でもよいのですが、本人が書いたことの証しという意味で、なるべく実印を押すのがよいでしょう。
ちょっとした注意点
●遺言が便箋2枚以上になったら
遺言書が便箋2 枚以上になったら、便箋をホッチキスでとめて、便箋と便箋の間に割印を押しておきましょう。
更に1ヘージ目、2ページ目と文書の順番が分かるように、便箋下部にヘージ番号を書いておくとなおよいでしょう。
●遺言書を訂正加筆したいとき
新しく書き直した方が安全・確実です。
自筆証書遺言の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつその変更の場所に印を押さなければ、その効力がないとされています。このルールに従わないと、その遺言は加除・変更がなかったものと取り扱われます。それだけではなく、作成日付などの重要部分を誤った方法で修正すると、遺言全体が無効と解釈されることがあります。加除・修正が必要な遺言書は、新しく書き直した方が安全・確実です。
●遺言書を入れる封筒の使い方
付録の封筒は、遺言書を入れるためのものです。
遺言書は封筒に入れなければならないものではありませんが、紛失や変造を防止するため封筒に入れて封印して保管することをお勧めします。
※封がされていたら、遺言者以外は、勝手に開封してはいけません。遺言者の死後、家庭裁判所で開封します。
●遺言書の保管
書いた遺言書は、紛失したり、盗まれたりしないように、適切な場所に保管して下さい。ただし、遺言書がどこにあるのか誰にも分からないのでは遺言書も効果を発揮できません。信頼のおける人に保管場所を知らせておくか、預けておくとよいかもしれません。