成年後見人がすること

広範囲な権限を有する成年後見人は、どのような仕事をするのでしょう。

成年後見人になったときにする仕事

後見開始の審判とともに選任された成年後見人には、家庭裁判所から後見開始の審判書か届きます。この審判書を受け取ってから2週間不服申立てがなければ審判が確定し、成年後見人の業務開始です。
金融機関で本人の預金通帳の名義変更を行ったり、財産の調査をして財産目録を作成します。この財産目録は、家庭裁判所に1か月以内に提出する必要があります。

成年後見人の普段の仕事

成年後見人は、本人に必要な支払いを本人に代わって行います。そして、支出項目別に支払いの内容がわかるように家計簿や現金出納帳を作成して記録します。収入や預貯金についても、定期的な収入(年金等)と特別な収入(家賃収入、保険金の給付等)を分けて管理します。
また、収支状況を正確に把握する為に、自宅や入所先、入院先へ訪問し、本人の状況に変更がないか『見守り』を継続的に行います。
本人が自宅で一人暮らしをしている場合は、近隣の方や福祉関係の専門家とも連携をして対処方法を検討します。
自宅や不動産などの財産の管理(賃貸借契約や家賃の回収、賃貸物件の維持管理等)では、いろいろなトラブルが発生することもありますので注意が必要です。

成年後見人のその他の仕事

在宅生活の本人が入院することになった場合は、病院との間で入院の契約をします。
その後退院し、自宅での生活が困難になった場合は、施設を探して入所契約をすることもあります。介護サービスを受ける場合は、要介護認定の手続やその更新の手続も成年後見人が行います。
施設に入所する場合などには、本人が所有する不動産を売却してお金を用意する必要がある場合もあります。本人に代わって不動産売買契約をしたり、売却代金を受領することも成年後見人の仕事です。ただし、本人の自宅である土地建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要となるため、成年後見人だけの判断で処分することはできません。

参考:司法書士アクセスブック「よくわかる成年後見」
   日本司法書士連合会

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