成年後見(法定後見及び任意後見)が終わる時

成年後見は、どのような場合に終了するのでしょう。

成年後見が終わる場合

法定後見が終わる場合としては、次の二つがあります。

  1. 本人が死亡したとき
  2. 本人の病気が良くなるなどして判断能力が回復したので、後見開始審判が取消されたとき

例えば、施設への入所が必要であったため、法定後見を利用した場合、契約が終わりその目的が達成しても、後見は終了しません。本人が上記二つの事由に該当しない限りは後見は継続し、後見人としての仕事は続きますのでこ留意ください。
任意後見制度の場合は、本人の死亡のほか、任意後見人の死亡、任意後見契約の解除、任意後見人の解任、後見開始審判等法定後見制度への移行などにより終了します。任意後見人が死亡した場合などは申立をして法定後見制度の利用へ移行する必要があります。

本人が死亡した後の後見人の仕事

本人が亡くなると、原則としてその時点で法定後見は終了するため、後見人の残る仕事は、次のとおりです。

  1. 本人死亡による成年後見の終了の登記手続
  2. 死亡時の財産目録を作成して、家庭裁判研へ提第する
  3. 預金通帳など管理していた財産等を相続人へ引き湲す

なお、本人の死亡後であっても、必要があるときは、相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人か相続財産を管理できるようになるまでの間、後見人は次の行為をすることができます。

  1. 相続財産の保存に必要な行為
  2. 相続債務の弁済(ただし、すでに退院した病院の入院費や、入所していた施設の利用料など、支払期限を迎えているものに限ります。)
  3. その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(ただし、家庭裁判所の許可が必要です。)

以上は法定後見に関する制度ですが、任意後見契約の場合も同様の問題が生じるため、契約締結と共に死後事務についての契約も締結しておいたほうがいいでしょう。

遺言について

遺言は主に財産を誰に承継させるかを定めるものです。遺言には自筆証書遺言や公正証書遺言等があり、それぞれ法律で厳格に方法が定められているので、わからないことがあれば司法書士にこ相談ください。

参考:司法書士アクセスブック「よくわかる成年後見」
   日本司法書士連合会

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