後見人には誰がなる

さて後見人にはどのような人がなるのでしょう。ここでは、法定後見制度についてみてみましょう。

後見人になる人

法定後見制度における後見人は、家庭裁判所の審判によって選任されます。ただし、誰になってほしいか希望をいうことはできます。
平成27年1月~12月のデータによると、約3割のケースで本人の親族か選任されています。ただし親族を後見人にしてほしいと希望しても、管理する財産か多額であったり、内容が複雑である場合や関係者間で紛争が予想されたりする場合には、司法書士などの専門家が後見人に選任されることがあります。
後見人になるためには特に資格は必要ありませんが、次のような人は後見人にはなれません。

  1. 未成年者
  2. 成年後見人等を解任された人
  3. 破産者で復権していない人
  4. 本人に対して訴訟をしたことがある人、その配偶者又は親子
  5. 行方不明である人

専門職後見人と市民後見人

本人の親族でない専門家(司法書士、弁護士、社会福祉士等)が後見人になる場合、その後見人を第三者後見人の中で特に『専門職後見人』と呼びます。
専門職後見人の中で最も多く後見人に選ばれているのは『司法書士』です。その理由は、裁判所に提出する書類を作成する専門家として、長年、家庭裁判所の様々な手続にかかわり、成年後見制度に対応するための団体である公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート(略して「リーガルサポート」ともいう)を立ち上げ、専門職後見人である会員から財産管理等に関する報告を受けるなど信頼性を確保する仕組みを構築しているためです。
しかし、高齢化か急激に進む中、親族以外の後見人を専門職後見人だけで担うことには限界かあります。
そこで、親族後見人、専門職後見人につづく第三の後見人として注目されているのが、一般市民による後見人『市民後見人』です。本人と同じ地域に住む市民を後見人として養成し、地域で高齢者・障害者を支援しようというものです。

コラム
市民後見人

一般市民による後見人のことです。家裁から選任された同じ地域に住む市民が後見人となって本人を支援します。親族以外のいわゆる第三者後見人の割合上昇により、近く不足するであろう第三者後見人の供給源として注目される市民後見人ですが、
①地域社会で支える
②手厚い見守り
などの特性があり、また平成23年度厚生労働省が「市民後見推進事業」を開始し、平成24年4月1日の老人福祉法改正によって、市町村に「後見、保佐及補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るために必要な措置を講ずる」努力義務が課せられたことから、市民後見人に関する動きが全国的に広まりそうです。

参考:司法書士アクセスブック「よくわかる成年後見」
   日本司法書士連合会

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