こんな人は相続できない 2022年9月25日 最終更新日時 : 2022年9月27日 suzuran-legal 「相続欠格者」となれば何も相続できない 【事例】Sさんの弟はふだんから素行が悪く、いつも警察沙汰のトラブルが絶 えませんでした。ある日、父親から注意された弟はカッとなって父親 を殺してしまいました。こんな弟にまで父親の遺産を相続させるべきなのでしようか…。 民法には、相続人が相続権を失う相続欠格という制度があり、これに当てはまる行為をした場合、相続できなくなります。Sさんの弟が裁判で有罪になった場合には、Sさんの弟に相続権はありません。 相続欠格に該当する事項 被相続人または自分より先順位で相続人となる者、あるいは自分と同じ順位で相続人となる者を殺したり、殺そうとして刑に処せられた場合。被相続人が殺されたことを知っていながら、告訴または告発をしなかった場合。ただし、その相続人が未成年のときや精神病などで是非の判断能力がないとき、あるいは殺した犯人が自分の配偶者や直系血族(父母、子、孫等)だった場合は除外されます。詐欺や強迫によって被相続人が遺言書を作ることを妨害し、または遺言書の取り消し、変更を妨害した場合。詐欺や強迫によって被相続人に遺言書を書かせたり、取り消しをさせたり、変更させたりした場合。被相続人の遺言書を偽造、変造し、これを破棄したり隠したりした場合。 相続欠格にあたらなくとも相続人を「廃除」できる 非行を繰り返す息子がいて、「こんな子には何も相続させたくない」という場合、相続人の廃除という制度があります。「遺留分を有する推定相続人が被相続人を虐待したり、重大な侮辱を加えたり、または相続人として著しい非行があるときは、被 相続人は生前に家庭裁判所に申し立てて、この人の相続権を取り上げることができる」と民法で定められています。これは遺言でもできます。ただし、相続人の廃除は極端な事由でもない限り、裁判所はなかなか認めないようです。親の好き嫌いによって一方的に相続人から外されないようにとの考えからです。 参考:司法書士アクセスブック「よくわかる相続」 日本司法書士連合会 お問い合わせご相談はこちらからどうぞ お問い合わせフォームはこちら FacebookXHatenaPocketCopy